【講師ブログ】6月28日(水) 無常観
モノはやがて、色褪せていき、草木はそれに構わず生い茂る。
この様な風景を目の前にすると「無常観」という言葉が思い浮かびます。
時は遡って、鎌倉時代末期。
幕府の権威は落ち、朝廷も皇位をめぐっての争いを続けていました。
明日の我が身が、どうなってしまうかも分からない世の風潮と仏教の教えとが結びついて無常という思想が生まれます。
「この世のすべてのものは絶えず変化するもの」
無常観というと、どことなく消極的な印象あります。
しかし、国語の教科書にも出てくるあの有名な吉田兼好さんの徒然草に綴られている無常観には、前向きな意味での無常観も見られます。
徒然草には
ある人が、弓の稽古で、二本の矢をセットして的に向かったところ、
弓の師匠が
「二本の矢を持つな。次の矢があると思うから、一本目の矢に集中できなくなる。
いつでも、一本の矢が的中するよう集中しなさい」と指導した。
というお話しがあります。
世は移り行き、変化するということは、裏を返すと、
この一瞬一瞬を大切に生きていこう、
という考えになります。
「この瞬間を大切に思う気持ち」
私も自分の中で反復し、常に心掛けられるよう
精進したいと思います。
定期テストが始まった皆さん。
どうぞ、悔いの残らぬよう
一時一時を大切にテストを受けてきてください!